<出典:wikipedia>
竹取物語
成立:平安時代初期
作者:不明
『竹取物語』は、だれもが一度は聞いたことがあるかぐや姫のお話。
「世界最初のSF小説」といわれることもあり、『源氏物語』でも「物語の出で来はじめの祖」と評されています。
内容を見てみると、さまざまな要素を含んでおり、現代まで語り継がれるには理由があることが分かります。
【竹取物語の要素】
・竹の中から姫が生まれる
・不思議な力によって竹取の翁が裕福になる
・求婚者に実在の人物をほのめかす名前をつける
・複数の求婚者に対して難題を課す
・かぐや姫が天に帰っていく
・不死の薬を燃やした場所を「ふじの山」と名づける
作者は、はっきりしておらず、源順(みなもとのしたごう)、源融(みなもとのとおる)、僧正遍昭(そうじょうへんじょう)などの説があります。
竹取物語のあらすじ
あるとき、竹取の翁が根元の光っている竹に気づきます。
近寄って見ると、竹の中に9センチほどの女の子がいました。
さっそく家に連れて帰って育てることにしましたが、それ以来、たびたび黄金の入った竹を見つけるようになり、翁は豊かになっていきます。
3ヶ月ほど経ち。
女の子は13~14歳の姿に成長し、とても美しくなりました。
「なよ竹のかぐや姫」と名づけられた女の子。
美しさの評判を聞きつけた世の男たちは、かぐや姫に恋い焦がれます。
なかでも、石つくりの御子、くらもちの皇子、右大臣あべのみむらじ、大納言大伴のみゆき、中納言いそのかみのまろたり、の五人は熱心に求婚します。
困ったかぐや姫は、誠意を確かめるため難題を出しますが、難しすぎて誰もそれに応えることができませんでした。
そんななか、帝が噂を聞いてかぐや姫にアプローチを開始。
あまりの美しさに、強引に連れ帰ろうとしますが、かぐや姫がふっと消えてしまいます。
帝が「強引につれていかないから姿を見せて欲しい」というと、かぐや姫は姿を現しますが、それから3年後、月を見て物思いにふけるようになってしまいます。
そして、泣きながら翁に
「実は私はこの世界のものではありません。月の都のものです。
昔の約束にしたがってこの世界にきたのですが、帰る時がきました。
15日に迎えがきます」
と伝えます。
この話を聞いた帝は、かぐや姫に警護をつけて、月に行かせないようにしますが、警護兵は急に力が抜けて行動できなってしまいます。
かぐや姫は、月に戻る際、帝に不死の薬を与えます。
しかし、帝は「かぐや姫に会えないのなら不死の薬など意味がない」といって燃やしてしまいます。
この薬を燃やした山が、天に最も近い山の頂上で、その山を「ふじの山(富士山)」と呼ぶようになりました。