政治的には最も偉い役職の天皇。
しかし、実際に力を持っているのは藤原氏や鎌倉幕府、江戸幕府に日本政府。
このように一見偉そうだけど実権は何もないという状況が、日本では約二千年続いています。
特にすごかったのが、北条氏の執権政治。
天皇という地位を利用して源頼朝が鎌倉幕府を開き全国を支配しますが、この鎌倉幕府の将軍を利用して北条氏が実権を握ります。
鎌倉幕府初代将軍の源頼朝が亡くなると、次の将軍は息子の頼家になります。
しかし、このときからすでに頼朝の妻である北条政子と北条家が実権を握りはじめます。
三代目将軍、実朝のあとは源氏の血が途絶えてしまいますが、北条氏にとっては源氏にこだわる必要はありません。
ただし、形の上では将軍が必要なため、四代目からは公家から5歳とか7歳の幼い子どもを連れてきて将軍職につけるようになります。
もちろん、幼い子どもには政治運営できないので、北条氏は執権として実権を握り政治を行います。
子どもが成人になるとすぐに放り出し、また新しい子どもを公家から連れてくる・・・。
こうして北条氏は、名目上は地方派遣軍司令官よりも下の地位でありながら、1世紀半にわたって実権を握り続けました。