宇賀神様!あまりといえばあまりのお姿・・・。

<宇賀神/出典:wikipedia

日本では多くの種類の神仏が信仰されています。
海を渡ってやってきた神や仏は、日本固有の神々とも習合していきながら信仰の形を作ってきました。
中にはとてもユニークな神仏も存在します。
その一つが今回ご紹介する宇賀神です。

宇賀神の外観

何を説明するよりも、まずこの神の見た目のインパクト。
この神は人頭蛇身です。
そしてその頭部は老人もしくは女性になっているのです。
身体は蛇そのもの。
しっかりとトグロを巻き、その鎌首をもたげるようにして頭部を正面に向けています。
なかなか強烈なビジュアルであることがおわかりいただけますでしょうか。
木彫、石彫と素材は様々ですが、木彫などでは蛇のウロコまでがかなりリアルに表現されており、その頭部とのギャップが大きいだけに非常にシュールな見た目です。
どうしてこの形になったのか。
なぜこんな奇妙な形の神を信仰できるのか。
余計なお世話といわれればそれまでですが、それほど強烈な姿の神さまなのです。

宇賀神の由来

宇賀神は日本で中世以降に信仰された神です。
実は、この神の出自や由来ははっきりと分かっていません。
日本神話に出てくる穀物や福徳の神さま・宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)がその由来なのではないかといわれています。
もともと民間信仰されていたものですが、どのように変化したのか、名前以外にその関連性を見つけることができません。
宇賀神の姿から、蛇神・龍神の化身ではないかとも考えられています。

宇賀弁才天

また、仏教の守護神であり、音楽・福徳・学芸・戦勝の神さまであり、七福神の一員としてよく知られる弁才天と習合した宇賀神もあります。
それを宇賀弁才天といいます。
弁才天の頭の上におじいさんの頭をつけた蛇の姿の宇賀神が乗っているものです。
弁才天自身は、インドのヒンドゥー教の女神が仏教に取り込まれた形ですが、この宇賀弁才天になった形の神さまは、インドや中国の仏教経典には見られません。
どうも日本固有の神であるようです。
日本にある偽経(原典を翻訳したものではなく、かいつまんで翻訳・創作された経典)と呼ばれる物にしか登場しないのです。
それにしても、美しい弁才天の頭上に、蛇の身体をしたおじいさんの顔の神が乗っている、という状態は私たちもひたすら「なぜ?」という大きな疑問符を掲げずにはいられません。

<宇賀弁才天坐像/出典:wikipedia

どこで宇賀神に会える?

宇賀神は出自不明。
宇賀弁才天でさえも偽経にしかその存在が確認できない謎だらけの神さま。
見たことがない、という人も多いのではないかと思います。
宇賀神に会える場所を、いくつかご紹介しておきましょう。

1. 本山寺(ほんざんじ)
大阪府高槻市大字原3298
天台宗の仏教寺院です。ここの宇賀神像は秘仏ですが、年に数回ご開帳があるので、その機会に実物を見て、大いにショックを感じてください。

2. 森巌寺(しんがんじ)
東京都世田谷区代沢3丁目27番1号
針供養で知られた浄土宗寺院です。境内のガラス張りのお堂に祀られているのが宇賀弁才天です。頭の上にちゃんと老人顔をした蛇が載っています。

3. 三室戸寺(みむろとじ)
京都府宇治市莵道滋賀谷21
西国三十三ヵ所の第10番札所で、本山修験宗の別格本山です。本堂前で蓮の上で鎮座しているのが、大きくて福々しい石造りの宇賀神です。

これらは日本各地にある宇賀神のほんの数例です。
こうやって宇賀神を見ていけば、アニメ映画「千と千尋の神隠し」に出てきたオクサレサマが、巨大な白蛇の胴に老人の顔をつけたキャラクターだったことにも合点がいきそうです。
宇賀神は奇妙な姿をしていながらも、いやだからこそ不思議な人気があるようです。
意外とあなたの身近の寺院にも宇賀神を見つけられるかもしれません。