あなたは見たか? 法隆寺五重塔に潜むエイリアンを

<出典:wikipedia

日本人ならば誰もが知る古都・奈良を代表する寺院、法隆寺。
ユネスコの世界遺産として日本で最初に登録された、斑鳩(いかるが)の里にある寺院です。
広い境内に数々の貴重な建築物、仏像などを持ち、国宝・重要文化財の数190件を所蔵する偉大な寺。
そしてここに、不可思議な像があります。
それはまるでエイリアンのような・・・。

五重塔(仏塔)の塔本塑像

日本最古の木造建築である法隆寺五重塔は、美しいだけではなく、塔の下に仏さま(仏陀)の遺骨を6粒納めるという仏塔の役目を持っています。
目的の像があるのは、五重塔の初層にある711年に造像された塔本塑像と呼ばれる塑像(粘土で造られた像)群の中。
そこには、心柱の四方に洞窟のような舞台が4つあり、それぞれが仏教説話にある釈迦の生涯の4つの場面を彫像で再現しています。
4つの場面とは、東面の維摩詰(ゆいまきつ)像土、西面の分舎利仏(ぶっしゃりぶつ)土、南面の弥勒仏像土。
そして北面の涅槃(ねはん)像土、不思議な像のある場所です。

北面の涅槃像土のエイリアン

涅槃像土は、釈迦の入滅シーンを再現したもの。
横たわる釈迦と哀しみのために慟哭する弟子たちの様子が見事に表現されています。
その釈迦の後方、弟子たちの塑像に混じって、不可思議な像があります。
その数、3体。
侍者像(じしゃぞう)と法隆寺が呼ぶこれらの像は、薄暗く、金網越しの拝観では他の像の影に隠れて見つけるのがちょっと難しいかもしれません。
侍者だとは言われていますが、それらはとうてい人には見えない不思議な姿をしています。
左から順に馬頭形(ばとうぎょう)、鳥頭形(ちょうとうぎょう)、鼠頭形(そとうぎょう)と呼ばれ、十二支の馬、鳥、鼠をかたどった像なのだそうです。

十二支像としての不思議

しかし、塑像群の中にあるこの3体のみで十二支を表わしたとは言いがたく、数が足りないのは盗掘などで他9体が欠損したせいでしょうか。
そもそも、これら馬、鳥、鼠だとは言っても、外見はちっともそれらしく見えません。
鳥はともかく馬や鼠の像にも「耳」はなく、3体とも「尖った口先」と「つりあがった目」を持った、むしろトカゲや蛇といった「爬虫類」の顔をしています。
イラクのウバイド遺跡でも似たような「爬虫類人の像」と呼ばれるものが見つかっていますが、
どちらかと言えば、これらの侍者像3体はその像に似ているのです。

この像を造った人物は、どのような意図で釈迦の涅槃像土に奇妙な像を混ぜたのでしょう?
法隆寺を訪れる際には、ぜひ五重塔でこれらの像も探してみてください。

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