教育勅語とはなんだったのか・・・??3

『しらす』に基づく統治

『しらす』とは”知る”を語源にした言葉。
古くから天皇は、国民の喜びや悲しみ、願いなどを自分に写し、神の心も自分に写し、無私の精神で国を治めていました。
そして、この天皇の”徳”に対して、国民が”忠誠”の心を持ち日本という国で生活するというわけです。

『しらす』の考えを知った井上は、これをもとに教育勅語の作成に取り掛かります。
作成にあたり井上が掲げた条件は7つ。

1、他の政治事と同じにならないこと

立憲政体を採用している国では、君主が臣民の良心の自由に干渉しないことが基本でした。
そのため、政治とは切り離し、「君主の著作公告」として発せられるべきだと考えられました。

2、宗教的なことは言わない

信仰の自由を認められている日本で、「神を尊べ」とか「天を尊べ」と言ったら、天や神が存在しない宗教信者が反発し、争いが起こります。
なので、信仰の自由を妨げる言葉を排除しました。

3、哲学上の理論に干渉しない

「人間の良心は神が作ったもの」といった考え方には必ず反論が出てきます。
なので、哲学的な理論に触れるべきではないと考えられました。

4、政治上の思惑を入れない

天皇は神聖にして侵すべからざる存在。
政治上のどろどろした思惑に天皇を関わらせてはいけないと考えました。

5、中国やヨーロッパの思想に踏み込まない

儒学を連想させる言葉や西洋の考え方に踏み込むことなく、東洋・西洋の枠を超えた不偏不党の教育指針を示すべきだと考えました。

6、消極的な言葉を使わない

君主の言葉にふさわしく。
「~してはいけない」のような、せせこましい言葉は使わないようにすべきだと考えられました。

7、宗派の争いを助長しない

ある宗教が喜ぶ発言は、他の宗教が怒ること。
そのため、特定の宗教を喜ばせるべきではないと考えました。

君主の言葉でありながら、国民に押し付けるものではなく。
日本の国体にのっとりながら、宗教や政治には関わらない。
日本の将来を一途に想った井上は、日本の精神を守るため、一字一言を大切にして教育勅語を完成させました。

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